ブルリューク・フィアラの紀行記

     鈴木明翻訳 ブルリューク・フィアラの紀行記
 自称「ロシア未来派の父」ダビッド・ブルリュークとバツラフ・フィアラの著書、訳者鈴木明氏がブルリュークたちの足跡を追って伊豆大島と小笠原を訪ねた紀行記を紹介


中出那智子  山中昭男  本多保志  鈴木えい子
 永田米太郎 ブルリューク
ブルリュークの大島滞在記
    「大島」   
    1921年2月12日
    ダビッド・ブルリューク小笠原にて記す 
    鈴木明訳 2001年9月初版出版 

    鈴木明訳 2009年10月改訂版出版 
チェコ人画家ヴァーツラフ・フィアラが挿画を添付しています、今回の改訂版には新たにフィアラの5枚の挿画を入れました。

 
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                  フィアラの挿画




富士登山 

 2002年 (2005年改訂版 )鈴木明訳 1800円

 

 現代日本暮らし ダビッド・ブルリューク 1921年

  筆者が日本で描いたスケッチ12点と複製画2点を掲載


 著者のコメント

 本書は、現代日本について私が手書きした原稿から上梓する著作の一つである。
 日本に関しての私のメモや記録は、ロシアの読者の強い関心を引くであろう。なぜなら私はこの「菊の国」で二年間を過ごし、シベリアの隣国、太平洋文化を代表する一つの国の風俗習慣を比較的間近で研究したからである。・・・  

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海の物語 

                     →→→
アートタイムズ2011年10月号に
未来派画家の書いた小説を追ってウクライナを巡る旅
ロシア未来派の父ブルリューク
その文芸作品「海の物語」をめぐって

というタイトルで4ページ鈴木明氏が寄稿

           鈴木明略歴
「日ソ学院」でロシア語を学ぶ。ロシア語の機械マニュアル作成に従事。ブルリュークの調査を、2001年出版の「大島」から始める。 



 2003年(2007年改訂版 )鈴木明訳 1300円



小笠原紀行 (1921脱稿)

 
  2004年(2007年改訂版 )鈴木明訳 1400円


 本書の原書は、サンクト・ペテルブルグ国立ロシア美術館に保管されているものであり、リューバ・イェジレワさんによりそのコピーを入手していただきました。(訳者)


 
ブルリュークの頃の大島
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 2005年出版
   A.カピトネンコ、藤井虎雄、鈴木明共著 1500円
 
 書き出しを紹介します

 ロシア人画家、ダビッド・ブルリュークとビクトル・パリモフは1920(大正9)年10月に日本を訪れ、日本の画壇に大きな影響を与えました。二人は、同年11月には伊豆大島へわたり、当時の元村で10日ほどを過ごしています。
 そのときの様子をブルリュークは「大島」と題する冊子に書き残しました。鈴木明は同書のロシア語コピーを入手し、これを2001(平成13)年に和訳し、出版しています。
 訳者はこの翻訳にあたり、大島元町を訪れましたが、ブルリュークが訪れた頃の大島元村が現在の元町とは、大きく異なることを知りました。それはブルリューク逗留からすでに80年以上が過ぎ、時代が異なっていることに加え、1965(昭和40)年の大火で元町全体が焼失してしまったことによります。そこで藤井虎雄(藤井工房、木村五郎・大島農民美術資料館)は訳者、鈴木明を案内し、ブルリュークの足跡を訪ねて、大火以前の様子を説明しました。
 以下は、「大島」翻訳時と、出版後に集めた資料を整理したものです。
 本書の出版にあたり、日本語訳「大島」改訂版を、藤井工房、木村五郎・大島農民美


 
ブルリューク、フィアラの頃の小笠原

表紙は画家バツラフ.フィアラが小笠原で
住んでいた家(フィアラ画)

 
 2006年 N.エフダーエフ、鈴木明共著 1500円
  

2度の小笠原取材をおこない書かれたブルリュークとフィアラの小笠原滞留時代の足跡。当時の村の様子も聞き取り調査した貴重な資料でもあります。

①「大島」2001年 ②「富士登山」2002年 ③「海の物語」2003年 ④「小笠原紀行 」2004年 毎年ブルリュークの著書を訳した実績が活かされた露語翻訳家鈴木明氏の分析が光る。

鈴木明(著者)あとがきから


 ・・・・・様々な不安と悩みを抱えて日本にやってきたブルリュークは、京都で開いた三回目の「日本に於ける最初のロシア画展覧会」を成功と感じ、いくらかの収入も得たので、憧れの南の島で暖かい冬を過ごそうと思いました。
 その小笠原父島では「一年の三分の一が瞬く間に過ぎ」ました。「二年間シベリアをさまよった果てに」、米国移住を目差して日本に辿り着き、この島でやっと、人ごこちつけたのだろうと思います。
 訳者がそう実感したのは、扇浦の海岸へ来て、その景色を見たときでした。そこにはブルリュークが描いたい扇浦の絵にそっくりな山や海の景観があったのです。「未来派の父」を自称するブルリュークが、見たままの風景をキャンバスに残したのは、この島が気に入り、心をなごませた一時を、記録に残しておきたかったからに違いない、と思ったのです。・・・・・・・・


 
バツラフ.・フィアラ著 おがさわら

 
 2007年(2010年改訂版 )鈴木明訳 1600円
       「おがさわら」 鈴木明訳
        

 チェコ生まれの画家フィアラがブルリュークと共に訪れた「おがさわら」の紀行記。来日後の日本の生活の様子、肥後丸に乗って小笠原に向かうところから島での暮らしぶりが細やかに綴られています。
        (21点の作品をカットとして掲載) 

  訳者あとがきから

 ブルリュークの「小笠原紀行」翻訳のため訳者が父島を訪れた後まもなく、小笠原教育委員会から「このような資料を入手したが、お役に立つだろうか」と送
られてきたのが、本書の原文コピーでした。
 お役に立つどころか、これは私にとって大きな驚きでした。
これまで、フィアラを調べるための手掛かりは日本では皆無に近いと思われていたのに、突然このような「大作が「発見」 されたのです。・・・・・


  
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バツラフ.・フィアラ著 上野公園 

 
 2008年出版 鈴木明訳 1200円

 プラハ 1921 チェコグラフィック画家協会 HOLLAR

 フィアラたちは第八回二科会展にも参加しました。石井柏亭氏から好意的に誘われた、とあります。
柏亭は明治十五年(1882)生まれ、ダビッド・ブルリュークと同い年です。また、バーツラフ・フィアラ、木下秀一郎、普門暁は共に1896年生まれです。
 同い年であることが、互いの親近感をさらに強めたのではないか、訳者は、そんな風に想像しています。(鈴木明)


 
シベリアのブルリューク

 
 2009年出版 A.クルサーノフ編著 鈴木明訳 2000円


 本書は、A.クルサーノフ著「ロシア・アバンギャルド」第Ⅱ巻第2分冊(2003、モスクワ)の内、特にダビッド・ブルリュークに関するページ・・を翻訳したものです。

 目次
  
  ・パシキール時代のブルリューク

  ・ブルリュークのシベリア大巡回講演

  ・ウラジオストック

  ・人名索引



ズラトウストの頃 



 2010年出版 鈴木明訳 900円

 本書のロシア語原稿は、ウラジオストック市のV.K.アルセーニエフ記念国立沿岸州合同博物館から提供されました。同博物館のV.N.ソコロフ館長に感謝いたします。(訳者)

 
 訳者あとがきより抜粋

この作品は、ダビッド・ブルリュークの妻マルーシャ(マリヤ)が夫に話しかけている形式で書かれています。この作品を読むと、革命当時のシベリアの、地方都市の混乱した様子が想像されます・・・
ズラトウストも赤軍に占領される1919年7月13日の直前、家族をウラジオストックへ向けて脱出させました。



ブルリュークのメモ帳 由比大正十一年

 
 2011年出版 
 メモ解読 ワシーリー・モロジャコフ 鈴木明訳 2100円

 訳者あとがきより

 ブルリュークは日本での最後の展覧会を大正11年に大阪の百貨店「白木屋」で開催(「極東のモダニズム展カタログ」による)した後、この由比に留まり、風光明媚なこの地で一夏を過ごしました。長旅後の慰安と米国移住への準備のために、家族を休養させたのではないかと訳者は思っています。ブルリューク自身は富士山と太平洋を大いに愛していたので、日本での最後の作品作りに励んでいました。・・・



訳者は由比を訪れて何とブルリュークと一緒に写った当時8才の少女、今もご健在で97才になられたおばあさんに会ってお話しを伺っています。訳者の情熱なしには掘り起こされる事がなかったはずの貴重なメモ帳の再現です

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                 静岡新聞平成23(2011)年2月13日号に掲載
              
 




バツラフ・フィアラ著 富士山詣で
(ふじやまもうで)

 
 2012年出版 鈴木明訳    1200円 

 Hollar 第10年度作品集第三、第四巻所蔵版画作品添付
      プラハ 1934


  「富士山詣で」のチェコ語原書は、チェコ大使館一等書記官、チェコセンター所長のベルト・ホリー氏から訳者に提供されました。
このきわめて貴重な稀覯本を頂戴し、訳者はホリー氏の御厚意に深く感謝いたします。 
                     訳者 鈴木明

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